トランスルーセントグラスキャットの飼育方法(混泳・寿命・繁殖・水草・餌)

トランスルーセントグラスキャットの特徴
ナマズの一種で見た目通りスケルトンのボディが特徴的な熱帯魚です。
トランスルーセントグラスキャットはナマズの仲間には珍しく大人しい性格のため、他の熱帯魚と混泳することもできます。
水質に慣れてしまえば飼育も特に難しいことはありませんが、病気には弱い面がありますので導入初期には注意が必要です。

飼育難易度は?

中級者向け

 

スケルトンの見た目が非常に人気の高いトランスルーセントグラスキャット(以下グラスキャット)。

ナマズの仲間ではあるものの大人しい性格のため他の熱帯魚と混泳させることができます。

ただし病気に弱い面があるのと、若干臆病な性格のため群泳させてあげないと餌を食べてくれないことも多々あります。

また身体が8cm前後まで成長することから水槽も大きなものを用意しないといけないことから飼育難易度としては中級者向けと言えるでしょう。

他種と混泳はできるの?

注意が必要です

 

基本的にはどんな種とも混泳する事が可能です。

同種間での混泳は問題なく、むしろ複数飼育して群泳させることで臆病なグラスキャットは落ち着いて暮らすことができます。

しかし異種間での混泳は若干注意する必要があり、カラシンやメダカなどの身体が4cm前後までしか成長しない熱帯魚と混泳してしまうとグラスキャットに食べられてしまうこともあります。

決して積極的に捕食しに行くわけではありませんが口が大きいのと肉食性のため、小型のエビなどは食べられてしまうこともありますので注意しましょう。

カラシン
グッピー
シクリット
ベタ ×
オトシン
プレコ
コリドラス
エンゼルフィッシュ
エビ

繁殖は可能?

繁殖は難しいです

 

水槽環境内でのグラスキャットの繁殖例はほとんどありません。

通常ナマズを繁殖させる際はホルモン剤を利用して強制的に産卵をさせることもあり、水槽環境で繁殖させることはなかなか難しいようです。

また臆病な性格のため水槽内に他の熱帯魚がいたり明るさが頻繁に変わったりする環境の場合、グラスキャットは落ち着かず産卵には踏み込んでくれません。

繁殖にチャレンジする際は水温を26〜28℃前後まで上昇させ、隔離ケースなどに移して静かな場所で飼育してみるといいかもしれません。

水草との相性は?

非常に良好です

 

グラスキャットと水草は非常に相性がいいため、基本的にはどんな水草でも一緒に飼育する事が可能です。

すみだ水族館ではニューラージパールグラスの絨毯を敷き詰めて、その中層をグラスキャットを泳がせて幻想的な雰囲気を作っていました。気になった方はぜひすみだ水族館へ足を運んでみてください。

必要器具はなに?

基本レベル

 

基本的には通常の飼育道具で問題ありません。
アクアリウムショップで販売されているような水槽セットでも十分飼育が可能です。水温や水質変化にも比較的耐性があるためフィルターもそこまで高価な製品は必要ありません。

しかしグラスキャットは病気に弱い面があるため、フィルターは高性能なものを使用してあげることをオススメします。

水槽 必要 45cm〜
照明 必要 LED照明
フィルター 必要 外部フィルター
クーラー 必要 冷却ファン
ヒーター 必要 対応水槽製品
必要 人工餌、生餌
水質調整剤 必要 カルキ抜き
エアレーション 必要 対応水槽製品
CO2装置 不要
底砂 必要 ソイル

水槽

45cm〜

グラスキャットは最大で10cm前後まで成長するため、ある程度大きな水槽で飼育してあげることが望ましいです。

グラスキャットは基本的に群泳させることが望ましいので、最低でも5匹は飼育してあげることが理想的です。

そうすると30cmでは小さすぎるのと有害物質の蓄積するスピードが早くってしまうためオススメはできません。水草の飼育や今後の成長を考えると60cm以上の水槽を使うのがいいでしょう。

水槽サイズ 30cm 45cm 60cm 90cm
飼育可能匹数 2匹 5匹 10匹 30匹

照明

LEDライトレベル

LEDライト1灯で十分飼育が可能です。

基本的に熱帯魚だけであればそこまで明るさは求められません。そのためグラスキャットだけであればGEXなどから販売されている安価なLEDカイトでも問題ありません。

もし今後水草と一緒に飼育をするのであればADAから販売されているアクアスカイシリーズがオススメです。

フィルター

外部フィルターレベル

ストレスがかかってしまうと白点病などの病気になりやすいため、最低でも上部フィルターは設置してあげることをオススメします。

水槽が60cm時以上の場合や10匹以上飼育する場合は上部フィルターだとろ過不足に陥ってしまうことがありますので、もしご予算に余裕があればエーハイム2213などの外部フィルターの設置をオススメします。

クーラー

冷却ファンレベル

グラスキャットは水質に若干デリケートな面があり、夏場の暑い時期には水温上昇により病気になってしまうこともありますので冷却ファンを設置してあげましょう。

理想を言ってしまうと冷却力の強いクーラーを設置することなのですが、どの製品も比較的高価なのでご予算的に厳しい方は冷却ファンでも構いませんので、温度が上がりすぎないようにしてあげましょう。

また最近では遠隔から部屋のクーラーを操作する事ができる家電アイテムもあったりするので、日中の一番暑い時間帯だけクーラーをつけてあげるのもひとつです。

ヒーター

対応水槽であれば可

基本的に使用している水槽対応製品であればどんな製品でも可能です。

しかし個体によって最適温度が異なることも考えると温度可変式のヒーターがオススメです。

また熱帯魚が火傷しないように必ずカバーのついているヒーターを購入するようにしましょう。

エサ

人工餌・生餌

餌付けは簡単な種ですので、人工餌でも十分飼育が可能です。

もし購入時に餌付いていない場合はブラインシュリンプなどの生餌、またはひかりクレストなどの人工餌がオススメです。

ただし注意すべき点は餌の種類です。グラスキャットは肉食性が強いため通常の餌だと食べてくれない場合があります。ナマズ専用に作られた餌(特に沈降性)の餌を与えることをオススメします。

水質調整剤

カルキ抜きレベル

基本的に水質調整剤は必要ありません。

飼育水を作成する際にカルキ抜きだけすれば十分飼育する事が可能です。

オススメのカルキ抜きは水質調整剤として有名なリバースシリーズです。カルキ抜きの効果だけではなくろ過能力の強化やコケの生えにくい水質に変えてくれますので非常にオススメです。

底砂

ソイルがオススメ

グラスキャットを飼育する場合はソイルがオススメです。

水草を育てる上で栄養価の高いソイルを利用することで十分に水草を飼育する事ができます。ただしグラスキャットのみで飼育をする際はソイルの栄養価が逆にコケの発生理由になってしまいますので、ソイルだけではなく砂利を底に敷き詰めてその上からソイルを設置するのもオススメです。

またソイルは水質を弱酸性に傾ける性質を備えていますので、グラスキャットの飼育には適しています。

理想の飼育環境は?

基本レベル

 

特別注意すべき点はありません。

丈夫で多くの熱帯魚と混泳させる事ができるため、初心者の方でも十分飼育する事ができます。

ただし非常に臆病な性格であることと白点病に弱い面があるため、耐性はあるものの水質や水温変化には注意して飼育してあげるに越したことはありません。一度飼育環境に慣れてしまえばそうそう弱ることもありませんので、水槽に招き入れた初期の頃だけしっかり注意をしましょう。

寿命 約3〜5年
最大体長 約10cm
適性水温 22〜28℃
適性pH 弱酸性〜中性
遊泳層 底層〜中層

寿命

3〜5

約3〜5年です。
一般的な熱帯魚と同じくらいです。
当然中には5年以上生きる個体もいますので一概には言えませんが、飼育環境に気をつけて飼育すれば5年以上飼育することも十分可能です。

最大体長

10cm

最大で10cm前後まで成長するため最終的には中型の熱帯魚になります。

飼育する水槽の大きさにもよりますが、最初は身体が小さくても最終的には大きく育つため、飼育する水槽の大きさには注が必要です。

適性水温

22〜28

22〜28℃と熱帯魚を飼育する上で平均的な水温です。

通常25℃前後に水温を設定されている方がほとんどですが、多少前後した水温内で飼育することも可能です。

グラスキャットは白点病などの病気に弱いため、水温は26〜28℃付近で飼育してあげることをオススメします。

適性pH

弱酸性〜中性

弱酸性〜中性が理想的です。
理想を言ってしまえば弱酸性寄りの中性が最も良いとされていますが、比較的幅広いpH環境で飼育する事ができますのでそこまでシビアに考える必要がありません。

水槽環境に慣れている状況であればあまりpHには気を使わなくても大丈夫ですが、水槽への招き入れ初期にはできるだけ弱酸性〜中性に近づけた状態で維持してあげるようにしましょう。

遊泳層

底層〜中層

グラスキャットは底層〜中層を優雅に泳ぐ熱帯魚です。

臆病な性格のため混泳をする場合は中層を縄張りとする熱帯魚との混泳は避け、混泳させるのであれば底層を這いずり回るコリドラスなどと飼育することをオススメします。エンゼルフィッシュなどの中層を元気に泳ぎ回る熱帯魚との混泳は避けましょう。

おわりに

さて今回は昔から非常に人気の高いトランスルーセントグラスキャットについてご紹介をしました!

グラスキャットは熱帯魚の中でもトップ10に入るくらいの人気種で、アクアリウムを趣味とする方の誰しもが一度は飼育して見たいと思うメジャーな種です。

それくらい群泳する姿は優雅で美しいものですので、グラスキャットを群泳させる環境を作ることをゴールとしてもいいかもしれません。