飼育も比較的簡単ですが、水質や水温変化にデリケートなため飼育環境が整っている水槽で飼育してあげる事が大切です。性格も温和で混泳をさせやすいため初心者の方にもオススメの種です。
ただし餌を多く食べフンも多く出すことから水質を悪化させる速度が早いため、外部フィルターなどのろ過能力の高いフィルターの設置をしましょう。
飼育難易度は?
初心者向け
性格も温和で餌もよく食べてくれることから、アクアリウムの入門種として有名です。
同種他種問わず仲良く暮らしてくれる非常に飼育しやすい種です。ベージュの体色に黒のドット柄がパンダに見えることからこの名前がつけられました。
先にもご説明した通りコリドラス種は飼育難易度は低いですが、コリドラス・パンダは幼魚の頃は水質や水温変化に弱いデリケートな面を持つため注意が必要です。幼魚を飼育する際は常に綺麗な水で飼育できるようにろ過能力の高いフィルターを用意してあげましょう。
他種と混泳はできるの?
可能です
大人しい性格のため、同種異種問わず基本的には混泳する事が可能です。
同種間であれば複数飼育をして群泳させることもできますし、異種間であれば同じ遊泳層の熱帯魚でも混泳させる事ができます。
水槽の中層・上層を泳ぎ回る種とは特に相性が良く、底層の熱帯魚とも特に喧嘩することもなく泳ぎ回ります。ただし他のセミロングノーズやロングノーズのコリドラスと混泳させる場合、縄張り争いをする種もいますので注意しましょう。
カラシン | ◯ |
グッピー | ◯ |
シクリット | ◯ |
ベタ | × |
オトシン | ◯ |
プレコ | ◯ |
コリドラス | ◯ |
エンゼルフィッシュ | ◯ |
エビ | △ |
繁殖は可能?
繁殖は簡単です
繁殖はコリドラスを飼育している方々から多く報告があります。
オスとメスのペアが水槽にいれば産卵する可能性はありますが、ペアになる可能性を上げるためメス1匹とオスを3匹ほど入れて様子を見ましょう。
オスは体が細長くメスに比べて体が小さいです。メスは全体的にふっくらしており腹ビレも丸いフォルムをしています。
ペアになるとオスがメスを追いかけ始め、めでたく受精をするとメスは水草やガラス面に卵を産みつけます。産みつけた卵は粘着力が強いため、発見次第すぐに剥がしてプラスチックケースなどに隔離しましょう。
産卵後は約5日で孵化しますが、稚魚にはついているヨークサックという栄養が詰まった袋状のものがついているため最初の2〜3日は餌を与えなくても大丈夫です。ヨークサックが吸収されたのを確認したのちブラインシュリンプを与えましょう。
その後は体がある程度育った段階で本水槽に戻してあげましょう。
水草との相性は?
注意が必要です
コリドラスは水草に悪さをするわけではありませんが、底床に頭を突っ込んで砂を掘り起こす習性があります。
砂の上に落ちた餌を取るためだとも言われていますが、その習性によって水草が根っこごと掘り起こされてしまう事が多々あります。もし底砂に水草を直接植える場合は深く根をはる種類を選びましょう。
また底層を泳ぎ回るためどうしても底砂を汚してしまい、定期的な底砂の清掃は必須です。そのため流木や岩などに活着できるような水草の飼育が相性がいいとされています。アヌビアス、ミクロソリウム、エキノドルスあたりの水草がオススメです。
必要器具はなに?
基本レベル
特別な器具は必要ありません。
アクアリウムショップで販売されているような水槽セットでも十分飼育が可能です。ただし餌をよく食べフンも大量にすることから、ろ過能力の高いフィルターの用意が必要です。外部フィルターまたは底面フィルターなどがオススメです。
また水温変化にも弱いため夏場や冬場の温度変化の激しい季節のためにヒーターはもちろんのこと、クーラーまたは冷却ファンを設置してあげることをオススメします。
水槽 | 必要 | 30cm〜 |
照明 | 必要 | LED照明 |
フィルター | 必要 | 外部フィルター |
クーラー | 必要 | 冷却ファン |
ヒーター | 必要 | 対応水槽製品 |
餌 | 必要 | 人工餌、生餌 |
水質調整剤 | 必要 | カルキ抜き |
エアレーション | 必要 | 対応水槽製品 |
CO2装置 | 不要 | ー |
底砂 | 必要 | 田砂 |
水槽
30cm〜
コリドラス・パンダは最大でも5cm前後までしか大きくならないため、30cm水槽でも十分飼育する事が可能です。
ただし水を汚しやすい種であることからあまり多く飼育するとろ過能力が追いつかず、水質悪化に繋がってしまいます。以下の飼育可能数を参考にしていただきながら、水槽の大きさも選ぶようにしましょう。
水槽サイズ | 30cm | 45cm | 60cm | 90cm |
飼育可能匹数 | 3匹 | 5匹 | 10匹 | 30匹 |
照明
LEDライトレベル
LEDライト1灯で十分飼育が可能です。
基本的に熱帯魚だけであればそこまで明るさは求められません。そのためコリドラス・パレアタスだけであればGEXなどから販売されている安価なLEDカイトでも問題ありません。
もし今後水草と一緒に飼育をするのであればADAから販売されているアクアスカイシリーズがオススメです。
フィルター
外部フィルターレベル
30cm水槽で1匹だけ飼育するのであれば外掛け式フィルターでも問題ありませんが、複数匹飼育するのであれば外部フィルターまたは上部フィルターをオススメします。
またコリドラス・パンダは他種に比べると若干水質にデリケートな面がありますので、できればエーハイム2213などの性能の良い外部フィルターをオススメします。
さらにコリドラスは底砂を汚す習性があることから底砂をろ材として扱う底面フィルターもろ過能力が高いためいいとされていますが、メンテナンスが非常に手間なことと使える底砂の種類や水槽の大きさに制限があるため、あまり初心者の方にはオススメしません。
価格が高いため外部フィルターに手が出しづらい方は、上部フィルターからお使いいただくのがいいでしょう。
クーラー
冷却ファンレベル
コリドラス・パンダはあまり水温変化には強くありませんので、夏場の暑い時期には冷却ファンを設置してあげましょう。
理想を言ってしまうと冷却力の強いクーラーを設置することなのですが、どの製品も比較的高価なのでご予算的に厳しい方は冷却ファンでも構いませんので、温度が上がりすぎないようにしてあげましょう。
また最近では遠隔から部屋のクーラーを操作する事ができる家電アイテムもあったりするので、日中の一番暑い時間帯だけクーラーをつけてあげるのもひとつです。
ヒーター
対応水槽であれば可
基本的に使用している水槽対応製品であればどんな製品でも可能です。
しかし個体によって最適温度が異なることも考えると温度可変式のヒーターがオススメです。
また熱帯魚が火傷しないように必ずカバーのついているヒーターを購入するようにしましょう。
エサ
人工餌・生餌
餌付けは簡単な種ですので、人工餌でも十分飼育が可能です。
もし購入時に餌付いていない場合はブラインシュリンプなどの生餌、またはひかりクレストなどの人工餌がオススメです。
1点注意が必要なのが餌の性質です。餌には水面で浮かんだままの餌と沈むタイプの餌があります。
コリドラスは底層で泳ぎ回る種類のため下に落ちてくるタイプの餌でないと食べられません。餌を選ぶ際は沈降性の製品を選ぶようにしましょう。
水質調整剤
カルキ抜きレベル
基本的に水質調整剤は必要ありません。
飼育水を作成する際にカルキ抜きだけすれば十分飼育する事が可能です。
底砂
田砂がオススメ
コリドラスは底砂に頭を突っ込んで餌を食べる習性があります。
そのため溶岩石や砂利などの砂粒の大きな底砂や角張っている底砂はコリドラス自身を傷づけてしまう事があるためオススメしません。
適している底砂は丸い形で粒の小さな製品で、特にコリドラス専用と言われている田砂やボトムサンドは非常にコリドラス飼育にオススメです。
ただし高い栄養素が必要になる水草を一緒に飼育する際は、今挙げた種類の底砂では栄養が足りず飼育が難しくなってしまうので、栄養素の多いソイルを使用することをオススメします。
理想の飼育環境は?
基本レベル
特別注意すべき点はありません。
丈夫で多くの熱帯魚と混泳させる事ができるため、初心者の方でも十分飼育する事ができます。
注意すべきは水槽のサイズに見合わない匹数を入れて、ろ過不足になってしまうケースです。初めは数匹だけ飼育して今後慣れてきたら匹数を増やしていくようにしましょう。
寿命 | 約3〜5年 |
最大体長 | 約5cm |
適性水温 | 22〜27℃ |
適性pH | 弱酸性〜中性 |
遊泳層 | 底層 |
寿命
約3〜5年
約3〜5年です。
一般的な熱帯魚よりも若干長いイメージです。
当然中には5年以上生きる個体もいますので一概には言えませんが、飼育環境に気をつけて飼育すれば5年以上飼育することも十分可能です。
最大体長
約5cm
最大で5cm前後まで成長する小型の熱帯魚です。
どの熱帯魚でもいえる事ですが水槽のサイズによって成長する体長が変わりますので、小型のまま飼育したいのであれば30〜45cm前後の水槽で飼育することをオススメします。
適性水温
22〜25℃
22〜25℃と熱帯魚を飼育する上で平均的な水温です。
通常25℃前後に水温を設定されている方がほとんどですが、多少前後した水温内で飼育することも可能です。
ただしコリドラス・パンダは水温変化に弱い面があるため、できる限り水温を変化させないようヒーターやクーラーは設置してあげるようにしましょう。
適性pH
弱酸性〜中性
弱酸性〜中性が理想的です。
一般的な熱帯魚の適性pHとほとんど変わりませんので特別注意をする必要はありませんが、水質変化に敏感ですので不純物が水槽内に溜まって水質が変化しないようにろ過がしっかりできるような環境を整えましょう。
遊泳層
底層
コリドラス・パンダは底層を泳ぎ回ります。
基本的には底層を遊泳層とする熱帯魚とも仲良くしますが、コリドラスの中には縄張り意識の強い種類もいますので混泳させる際は注意しましょう。
おわりに
さて今回は見た目が非常にキュートな熱帯魚コリドラス・パンダについてご紹介をしました!
他のコリドラス種に比べると幼魚の頃は水質にデリケートな面があるため、飼育環境には注意する必要があります。
成魚になればそこまで他のコリドラス種と変わりませんので、安心して飼育したい場合は身体が4〜5cmくらいまで育った個体を選ぶようにしましょう。