黒メダカの飼育方法(混泳・寿命・繁殖・水草・餌・水温)

日本メダカの特徴
日本の熱帯魚の代表種のひとつでもある日本メダカ。
水温や水質に非常に丈夫で水面が凍る気温であったとしても問題なく飼育する事ができます。室外で飼育することも十分可能なくらい強靭な体力と環境適応能力を持っています。
金魚と双璧をなす日本熱帯魚の人気種で、美しい見た目の種類が多いことからアクアリウム界でもファンの多い熱帯魚です。
種類も豊富で体色や見た目などもバリエーションに富んでいるため飼育していてとても楽しい熱帯魚です。これからアクアリウムを始める方には非常にオススメできる種類です。

飼育難易度は?

初心者向け

 

熱帯魚の中でも飛び抜けて環境適応能力の高い種類で、アクアリウムの入門種として有名な種類です。

メダカの中でも最も原種に近い種類で、グレーの体色をしているため他のメダカに比べると地味な見た目をしている熱帯魚です。写真で見ると分かりづらいかもしれませんが、現物は白メダカと比べるとかなり灰色に近い色をしています。

黒メダカは日本に生息する野生のメダカを黒メダカと呼ぶことが多く、メダカの原点ともいうべき種類とも言われています。

ただし室内で飼育する場合は難易度が高くなる傾向があり、飼育に必要な水槽の面積や太陽光などがしっかり準備できなければ早死にしてしまうこともあります。できれば室外で広々と飼育してあげるようにしましょう。

他種と混泳はできるの?

可能です

 

大人しい性格のため、同種異種問わず基本的には混泳する事が可能です。

同種間であれば複数飼育をして群泳させることもできますし、異種間であれば同じ遊泳層の熱帯魚でも混泳させる事ができます。

ただし攻撃性の強いエンゼルフィッシュや肉食性の強いトランスルーセントグラスキャットなどのナマズの仲間との混泳には注意が必要です。大きく育ったエンゼルフィッシュにはいじめられてしまうことがあり、身体の小さなメダカはグラスキャットに食べられてしまうこともあります。

同種のヒメダカや青メダカなども混泳させることも十分可能ですので、水槽の色合いなどを考えながら混泳させることも面白いかもしれません。

カラシン
グッピー
シクリット
ベタ ×
オトシン
プレコ
コリドラス
エンゼルフィッシュ
エビ

繁殖は可能?

繁殖は簡単です

 

黒メダカの繁殖は比較的簡単におこなうことができます。

オスは尻ビレや背ビレが特徴的で背ビレには切れ込みがあるため比較的区別がつきやすいです。

これらのオスメスを複数匹同じ水槽内で飼育すればペアが出来上がり、メスが身体に卵をぶら下げながら泳いでいる姿が見れるようになります。

卵はホテイアオイなどの水草に産み付けられる事が多いため、ペアが確認できてからは毎日ホテイアオイの根付近を確認しましょう。卵はかなり小さく、数の子の一粒くらいの大きさです。

孵化自体は本水槽内でさせても構わないのですが、稚魚は親魚に食べられてしまう事が多いため、卵の段階で隔離ケースに移してあげるこのが理想です。

孵化したら細かくすりつぶした人工飼料やブラインシュリンプなどを与えると良いでしょう。

またメダカは遺伝子的に発色する色が決まっているため、青メダカなど他種のメダカとも交配させることで、ヒメダカや白メダカなど様々な色のメダカを生み出す事ができるのもメダカを飼育する上での楽しみのひとつです。

水草との相性は?

非常に良好です

 

黒メダカと水草は非常に相性がいいため、基本的にはどんな水草でも一緒に飼育する事が可能です。

黒メダカは水槽だけではなくタライなどでも飼育する事ができるのですが、使用する飼育ケースによって飼育する水草も選ぶと良いかもしれません。

タライなどの場合はホテイアオイなどの水面に浮かぶような水草が見た目的にも良いですし産卵にも適しています。もし水槽で飼育するのであればホテイアオイはもちろんのこと、ウィローモスなどの水草とも一緒に飼育してあげるのも良いでしょう。

必要器具はなに?

超基本レベル

 

アクアリウムを始める上でも超基本と言われている飼育道具のみで飼育する事が可能です。

適応水温もかなり幅広く、冬場の水温にもヒーターなしで飼育する事が可能です。また室外で飼育する場合は照明も必要ありませんしフィルターも必要ありません。

水槽、餌、カルキ抜きだけあれば十分飼育ができるとても飼育しやすい熱帯魚なので、ご予算をあまりかけたくない方にもオススメできる熱帯魚です。

水槽 必要 45cm〜
照明 不要
フィルター 不要
クーラー 不要
ヒーター 不要
必要 人工餌、生餌
水質調整剤 必要 カルキ抜き
エアレーション 不要
CO2装置 不要
底砂 不要

水槽

45cm〜

黒メダカは最大でも4cm前後までしか大きくなりませんが、水槽は大きめを用意するのが理想的です。

メダカに大切なのは水量ではなく泳げる横幅の広さだと言われており、田んぼのような浅く広くのようなシチュエーションが好まれます。

理想の飼育環境としては室外で大きめの鉢やタライなどで飼育してあげる事です。以下の製品はアクアリウムショップで販売されているメダカ飼育に適した商品になりますのでお好みで選ぶと良いでしょう。

もし室内で飼育する際はできれば60cm以上の水槽が理想的ではありますが、数匹程度飼育するのであれば45cm前後でも飼育する事は可能です。

水槽サイズ 30cm 45cm 60cm 90cm
飼育可能匹数 5匹 15匹 30匹 100匹

照明

必要ありません

黒メダカのみを飼育するのであれば照明は必要ありません。

必要なのは照明の光ではなく太陽光だと言われています。太陽光がないと体内でビタミン生成ができず病弱になってしまい飼育環境に強い黒メダカもすぐに死んでしまいます。

いくら飼育環境を整えて水質を維持しても太陽光がないと短命で終わってしまう事が多いですので、室内で飼育するのであれば陽が当たる場所に設置してあげましょう。

室外であればなんの知識もなかった私の父親ですら繁殖をさせる事ができるくらい飼育が簡単になりますのでオススメです。

フィルター

必要ありません

水質には強い耐性があるため基本的には不要です。

メダカはフィルターなどのジャバジャバと水を循環する落ち着かない環境が苦手のため、あまりフィルターによる水質還元は向きません。もし室内で飼育する場合は循環能力の高いフィルターを利用するのではなく、ゆっくりと循環できるような弱めのフィルターを利用すると良いでしょう。

ただしフィルターを設置しない場合は汚れが溜まる速度も速いので、水換えは1ヶ月に1度くらいしてあげると良いでしょう。

クーラー

必要ありません

黒メダカは真夏の水温にも耐えうる強靭な体力を持ち合わせています。

夏場の30℃を超えるような水温でも元気に泳ぎ回っていますので、クーラーや冷却ファンは必要ありません。

もし水温的に30℃後半に差し掛かるようであれば太陽光に直接当たるようなところから日陰に移してあげましょう。

ヒーター

必要ありません

こちらもクーラー同様に設置する必要はありません。

真冬の水面に氷が張るような水温であったとしても死ぬことはあまりありません。動き自体は鈍くなりますが春を迎えると再び元気に泳ぎ回ります。マイナス数十℃になるようなところでない限りは室外でも飼育する事ができます。

エサ

人工餌・生餌

餌付けは簡単な種ですので、人工餌でも十分飼育が可能です。

もし購入時に餌付いていない場合はブラインシュリンプなどの生餌、またはひかりクレストなどの人工餌がオススメです。

もし餌を選ぶのが面倒な方はアクアリウムショップで販売されているオリジナルの餌を与えるといいでしょう。

水質調整剤

カルキ抜きレベル

基本的に水質調整剤は必要ありません。

飼育水を作成する際にカルキ抜きだけすれば十分飼育する事が可能です。

オススメのカルキ抜きは水質調整剤として有名なリバースシリーズです。カルキ抜きの効果だけではなくろ過能力の強化やコケの生えにくい水質に変えてくれますので非常にオススメです。

底砂

必要ありません

黒メダカを飼育する上で底砂は必要ありません。

水質も弱酸性〜弱アルカリ性まで幅広く飼育する事ができますので底砂による水質調整も特に必要ありません。

基本的にはホームセンターなどで販売されているアクアリウム用の砂利であれば問題なく飼育する事ができます。

ただしメーカーによっては敷くだけで汚れを分解してくれるような底砂も販売されていますので、綺麗な水で維持するためにもこういった製品を選んであげると良いかもしれません。

理想の飼育環境は?

基本レベル

 

大切なことは太陽光が当たるところで飼育することです。

水質や水温には異常なくらい耐性を持ちますが、照明がわりとなるこの太陽光がメダカの飼育に大切な要素となります。太陽光に含まれる紫外線から体内でビタミンを生成し病気からの耐性を作ります。

繰り返しになりますが室内で飼育する際は日中必ず太陽光が当たるような窓際などに水槽を設置してあげるようにしましょう。

寿命 約2〜4年
最大体長 約4cm
適性水温 3〜36℃
適性pH 弱酸性〜弱アルカリ性
遊泳層 中層・上層

寿命

2〜4

約2〜4年です。
一般的な熱帯魚の寿命とほとんど変わらず、3年前後が平均寿命となっています。
当然中には3年以上生きる個体もいますので一概には言えませんが、飼育環境に気をつけて飼育すれば3年以上飼育することも十分可能です。

最大体長

4cm

最大でも4cm前後までしか成長しない小型の熱帯魚です。

どの熱帯魚でもいえる事ですが飼育環境によって成長する体長が変わりますので、小型のまま飼育したいのであれば小さな鉢で飼育することをオススメします。

適性水温

3〜36

飼育可能水温は3〜36℃と凄まじい適応能力を持ちます。

夏は30℃を超える超高温から冬の氷が張るような超低温まで問題なく飼育する事ができます。低温、高温の環境下でも卵を産んで繁殖をすることもあり、ちょっとやそっとの温度上昇、温度下降にはびくともしません。

適性pH

弱酸性〜弱アルカリ性

弱酸性から弱アルカリ性まで幅広い水質環境で飼育する事ができます。

他の熱帯魚であれば砂利などによる水質調整は必要ですが、黒メダカの場合は特に必要ありません。ただし急激な水温変化には弱い傾向がありますので水換えによる水質変化には注意して時間をかけて水換えをしてあげるようにしましょう。

遊泳層

中層・上層

黒メダカは中層〜上層をメインで泳ぎ回ります。

あまりないかと思いますが、今後中層付近を縄張りとするエンゼルフィッシュと混泳する予定がある方は大きめの水槽を用意するか、葉の大きな水草を複数飼育してあげると隠れる場所になります。

おわりに

さて今回はメダカの原種とも言われている黒メダカについてご紹介をしました!

黒メダカは全く知識がない私の父親でも飼育、繁殖をさせる事ができるくらい飼育難易度の低い熱帯魚ではあります。

しかし太陽光のない飼育環境下では短命に終わってしまい数ヶ月で死んでしまうこともありますので、メダカならではの飼育環境をしっかりと用意してあげた上で飼育してあげるようにしましょう!